五大栄養素について解説!③ビタミン・フィトケミカル

五大栄養素について、第3回。今回が最終回です。

今回は「ビタミン」とおまけで、最近注目されている「フィトケミカル」について紹介します!

ビタミン

ビタミンはタンパク質でも脂質でも炭水化物でもない有機物の総称です。

必要量はわずかですが、非常に重要な栄養素です。

エネルギーとしての働きはありませんが、タンパク質・脂質・炭水化物の代謝を助ける役割を担っています。

・ビタミンの種類

ビタミンは、「脂溶性」「水溶性」の2つに分類されます。

それぞれについて解説していきます。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、「ビタミンA・D・E・K」の4つです。

脂溶性ビタミンは肝臓などの体内に蓄積されます。

そのため、過剰摂取に注意が必要です。

油に溶けやすいので、油を使って調理すると吸収率がアップします。

次に脂溶性ビタミンそれぞれの働きを紹介します。

・ビタミンA

皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫機能にも関与しています。

ニンジンやレバー、卵などに多く含まれています。

過剰に摂ると、骨障害や脂肪肝に、欠乏すると、夜盲症や皮膚被毛の状態悪化などの原因になります。

・ビタミンD

カルシウム・リンの恒常性維持や、骨の代謝に関与しています。

魚類やきのこ類などに多く含まれています。

過剰に摂ると、高カルシウム血症、欠乏すると、骨軟化症やくる病などの原因になります。

・ビタミンE

抗酸化作用、毛細血管の血行促進の役割があります。

カボチャやアボカド、ひまわり油などに多く含まれています。

過剰摂取になるのはまれで、欠乏すると、皮膚や免疫の異常、黄色脂肪症などの原因になります。

・ビタミンK

血液凝固因子生成などに関与しています。

納豆やほうれん草、海藻類などに多く含まれます。

過剰摂取はほぼ見られず、欠乏すると、鼻や胃からの出血、血液凝固不全等の原因になります。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは、ビタミンB群ビタミンCです。

水溶性ビタミンは貯蔵性が悪く、体外に排出されます。

そのため、過剰摂取しても中毒は起こしにくいですが、反面不足しやすいです。

水溶性のため、調理方法によっては多量に流出してしまいます。

・ビタミンB1(チアミン)

糖質をエネルギーに変える、また、神経系の機能の維持について不可欠な栄養素です。

不足すると、神経や成長に障害をきたします。

豚肉や大豆、玄米などに多く含まれています。

・ビタミンB2(リボフラビン)

糖質・脂質・アミノ酸がエネルギーに変わる際にサポートをする補酵素の機能があります。

不足すると、口内炎や皮膚炎などの原因になります。

牛・豚・鶏などのレバーや納豆などに多く含まれています。

・ビタミンB3(ナイアシン)

ニコチンさんとニコチン酸アミドの総称で、エネルギー代謝に関与しています。

不足すると、皮膚炎や口内炎、神経障害の原因になります。

魚介類やキノコ類、赤身の肉やレバーなどに多く含まれています。

・ビタミンB5(パントテン酸)

コエンザイムAの構成成分で、糖質、脂質、アミノ酸の代謝に関わっています。

不足すると、免疫機能の低下や消化器障害などの原因になります。

納豆や鶏ささみ、レバーやアボカドに多く含まれています。

・ビタミンB9(葉酸)

DNAの合成や、赤血球の産出、神経組織の発達などに関与しています。

不足すると、貧血や胎子の先天性異常の原因になります。

ホウレンソウや枝豆、ブロッコリーなどに多く含まれています。

・ビタミンC

抗酸化成分としての働きやコラーゲンの生成などに関与しています。

体内での生成が可能で、不足することはまれです。

赤ピーマンや、イチゴ、柿などに多く含まれています。

フィトケミカル

五大栄養素以外で、最近注目されている成分に「フィトケミカル」があります。

フィトケミカルは、抗酸化作用や免疫力を向上させる働きがあるなど、健康維持に有用ではないかと期待されています。

フィトケミカルは、大きく5種類に分類されます。

・ポリフェノール

・含硫化合物

・カロテノイド

・テルペン類

・多糖類

ポリフェノール

ポリフェノールは植物が光合成を行ったときにできる抗酸化物質で、苦みや渋みの成分です。

【ポリフェノールの代表的な種類と含有している食品】

・カテキン:お茶・紅茶など

・イソフラボン:大豆など

・アントシアニン:赤ワイン・ブルーベリーなど

など

含硫化合物

抗酸化作用があり、強い殺菌作用が期待されるといわれています。

【含硫化合物の代表的な種類と含有している食品】

・アリシン(ニンニク、玉ねぎなど)

・イソチオシアネート(大根、わさびなど)

・スルフォラファン(ブロッコリー、キャベツなど)

カロテノイド

自然界に存在する、赤・橙・黄色の色素の総称で、600種類以上存在するといわれています。

【カロテノイドの代表的な種類と含有している食品】

・リコピン(トマト、すいかなど)

・β-カロテン(かぼちゃ、にんじんなど)

・アスタキサンチン(鮭、エビなど)

テルペン類

柑橘類などの香りと苦みの成分で、抗酸化作用や生活習慣病の予防について期待されています。

【テルペン類の代表的な種類と含有している食品】

・メントール(ハッカなど)

・リモネン(柑橘類)

多糖類

炭水化物の一種。

【多糖類の代表的な種類と含有している食品】

・イヌリン(ごぼう、キクイモなど)

・β-グルカン(キノコ類など)

フィトケミカルは、それぞれの働きが異なります。

そのため、組み合わせて摂取することで、より有用な働きが期待できます。

栄養素のバランス

3回にわたり、五大栄養素についてご紹介させていただきました。

ワンちゃんもネコちゃんも成長段階により、必要な栄養素の量は異なります。

ドッグフードは、成長段階等により必要な栄養素を考えて作られています。

病気などで総合栄養食が食べられない場合や、手作り食メインの場合は、バランスを考える必要があるので、それぞれどういった働きがあるのか?など知っておくと理解が深まるのではないでしょうか。

ぜひ参考にしていただければ幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA